生活背景みる洞察力を
実習生が主役となって、研修医・指導医・コメディカルスタッフのサポートのもと臨床に役立つ実践的な診療を学ぶ「総合診療セミナー」が8月17〜19日、勤医協中央病院総合診療病棟で行われ、医学生4人が参加しました。
8月16日のセミナー前夜祭には、プライマリ・ケア連合学会理事長の前沢政次さんが『総合診療力は地域に生かせるか』と題して講演し、60人が参加しました。
前沢さんは、日本のプライマリケアから専門医・認定医制度の歴史に触れ、現状の問題点と具体的な提案を話しました。「20世紀の日本での医療供給システムの特徴は、大きな病院が医療の大部分を抱え込んでいる所有原理が基本にあったことが大きな問題。病院と診療所の競合的関係を正して、それぞれの役割分担が必要」と指摘し、医師の役割を専門医群、総合医群にわけ、総合医群の役割を、
@日常病の診療、A医療相談、紹介、連携、B専門医療の補完、C在宅重視の高齢者地域ケア、D地域づくりを基盤にした予防活動といった、「住民が元気になる活動」をするよう呼びかけました。
さらに、総合診療力を地域で活かすために、「『日常病(common
disease)+α』の診断治療はもちろん、なぜそのようなことが起きたか原因を把握する力、患者さんのこころの問題や生活状況、歩んできた人生への洞察力と寄り添う力、地域全体を見渡して医療を通した地域づくりができる能力、コーディネートカが大切」と強調。最後に「病気の一番の根本原因は貧しさです。どんな重い荷物を背負って生きてこられたかを洞察して、どのようなケアを提供するのが一番良いかを考える医師になってほしい」と、参加者にエールを送りました。
参加した医学生は、「患者さんの地域・生活背景を知る力が非常に重要であると学びました。総合医と専門医が連携すれば、本当に患者さんのためになるのではないかと思いました」と感想を寄せていました。