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白石区姉妹孤立死・全国調査団が「申請権の侵害」を指摘(1)
北海道民医連新聞 2012.05
防ぐことができた・全国調査団が「申請権の侵害」を指摘

白石区姉妹孤立死事件・悲劇の根絶をめざして

 15〜17日、「全国『餓死』『孤立死』問題調査団」(団長井上英夫金沢大学教授)の約20人が、札幌市白石区での姉妹孤立死事件の調査を行いました。全国で相次いで起きている「餓死」「孤立死」の背景にある構造的な原因を明らかにし、今後の対応を具体化するための調査です。

SOSを発信できる社会に

 初日に行われた「全国餓死」「孤立死」問題調査in札幌」市民集会で、尾藤廣喜弁護士(副団長)は、現役世代にも「孤立死」が
広がっていることを指摘し、(1)雇用問題(失業者増大・ワーキングプア)の深刻化、(2)社会保障制度の劣化、(3)地域社会の変化(無縁社会)を強調しました。
 集会には亡くなった姉妹と同郷の雨宮処凛さん(作家)も参加し、「SOSを発信できる社会」をつくる必要性を訴えました。

 2日目は、亡くなった姉妹が暮らしていたアパート前で献花した後、白石区保健福祉部長らとの交渉、そして区内の生活保護利用者と懇談し、生活保護行政の実態を調査しました。

 最終日は、白石区や利用者との懇談も踏まえて、札幌市に対する申し入れと、「「餓死」「孤立死」を根絶する提言」を発表。生活困窮者に対する行政からの積極的なアブローチなどを要請しました。


生活保護110番に多くの相談

 調査に並行して「生活保護緊急110番」が実施され、全道各地から58件の相談が寄せられました。相談には弁護士や司法書士らどともに、北海道勤医協のソーシャルワーカー3人が対応にあたりました。「福祉事務所に相談にいくたびに追いかえされ、持ち家や借金も整理したのに申請させない」「生活保護の相談に行ったらハローワークに行けと言われ、行ったら生活保護の相談に行くように言われた」など、申請権侵害の実態が明らかになりました。

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