北海道勤労者医療協会
北海道勤医協の病院 北海道勤医協の診療所 老人保健施設・看護学校
白石区姉妹孤立死・全国調査団が「申請権の侵害」を指摘(2)
北海道民医連新聞 2012.05
 相談にあたった田中さん(中央病院・MSW)は話します。「家や車を持っていると申請ができないと思っている方も多く、生活保護制度が知られていないと感じました。単に生活保護問題といっても、介護や雇用、借金など多くの問題がからまっており、総合的な相談活動が重要です」。


事件を風化させてはならない

 調査に同行した細川久美子さん(道生活と健康を守る会連合会副会長)の話
 1人ではなく、2人で共倒れして亡くなるという「孤立死」が、1月に発覚して以降、報道されているだけでも12件にのぼっています。しかも白石区のお姉さんは3回も保護課に行っているのに、申請さえできなかった。「福祉に殺された」といわざるを得ません。
 この間の交渉によって、札幌市の「しおり」にも「生活に困っている人は誰でも生活保護を申請することができる」と明記されるよう
になりました。しかし現場では、いまだに申請書をなかなか渡さないなどの問題もありますし、マニュアル通りにしか対応できない職員が増えているという問題もあります。精神障害を持って苦しんでいる人や、生活困難を抱えている人たちの「大変さ」に心を寄せることができない、これでは血の通った生活保護行政はできません。今回の事件を風化させないよう、継続したとりくみが大事です。

[1][2]