ています。そのために、豊かな人が収入に応じて負担することになっています。この考え方は1950
年の「社会保障に関する勧告」(社会保障制度審議会)
で明らかにされています。しかし、1995年の勧告では、「みんなのために、みんなでつくるのが社会保障」という新しい考え方を打ち出し、「社会保障は権利ではない」と宣言しました。
「共助・連帯としての社会保障」です。社会保障制度には社会保険方式と税方式がありますが、社会保険においては、民間保険のような「保険原理」が強められています。保険に加入し掛け金に応じて受け取る「拠出主義」が貫かれ、保険料を納めない人は保険証を取り上げて保険から排除する。そして「収支均等の法則」に応じて、保険料収入の範囲で給付を受けることになります。
社会保障予算を増やすためには、消費税増税しかない。それがいやなら「給付水準の引き下げを飲め」ということです。また、税方式の保育、障害者福祉などの分野では「サービスは買うもの」とされ、企業が参入する。企業が参加すれば、料金を払える人だけが利用できるものになります。まさに「福祉の市場化」がすすむことになります。
財源はある
消費税以外に社会保障のための財源はないのか。いいえ、あります。応能負担原則に立ち、減税してきた所得税・法人税の税率を元に戻すだけでいいのです。所得税では90年前後に戻すと10兆円、法人税も戻すとさらに財源が生まれてきます。また、社会保険の企業負担をヨーロッパの水準に引き上げると、それだけで
35兆円もの財源が生まれます。これは消費税率14%分に当たります。女子サッカー、なでしこジャパンのチームワークを見習い、被災地に生存権保障のパスを届け、全国の仲間を広げながら、憲法を守るゴールをあげましよう。