労働と福祉を考える会と民医連が共催で毎月実施している路上生活者・生活困窮者の「炊き出し」支援が4月15日に行われました。勤医協札幌看護専門学校から初めて参加した2名の学生から感想が寄せられました。
勤医協札幌看護専門学校では今年、授業の中で人権としての生活保障・医療保障というテーマで授業があり、北海道勤医協本部の事務職員が講師を担当しました。授業の中では、生活を支える取り組みとして「炊き出し」を取り上げ、イベントを企画する立場の人の気持ちと参加しようと並ぶ人の気持ちをワークショップ形式で考えました。
参加した看護学生Aさんの感想
「学校の講義をきっかけに炊き 出しのことを知り、もっと知りたいと思った。参加してみて、困っ ている人がこんなにもいるのだと胸が痛くなった。『靴を1足しか持っていなくて今日もらえてよかった』と嬉しそうに話された方がいて、とても暖かい気持ちになった。また参加したい」
参加した看護学生Bさんの感想
「以前からボランティア活動に参加して社会問題を考えてみたいと思っていた。お弁当や食料品、お風呂券の配布の係で活動したが、若い方や子ども連れの方がいたことと、衣服や身なりが綺麗な方が多かったことが印象的だった。会場に来られない方もいると知り、困っている方に平等に接することの難しさを感じた。今後も社会問題について考え続け、自分ができることをしていきたい」
メモ 生活支援としての炊き出し
炊き出しは、災害や戦争の被災者や、生活困窮者に国内外で取り組まれる善意に基づく活動です。その歴史は古く、各国の宗教や文化、風土によって様々に取り組まれます。一般には宗教団体や篤志家によるものが古く、最近ではボランティア、NGO、NPOによる取り組みが増えています。行政からの支援を受けているものも多くありますが、炊き出しという場合、主体は民間であることが多いです。
炊き出しといっても、食料の支援だけでなく、生活物資の配布、衣料品の配布、入浴券の配布、医療相談・健康サービスの提供なども取り組まれます。生活相談、法律相談も取り組まれ、希望者には住宅の紹介が行われることもあります。また、生活保護申請への帯同なども希望者には行われます。炊き出しといえばホームレスが連想されますが、最近は家も仕事もありながら、低所得のために困窮する世帯も多く、炊き出し会場でも子ども連れの母親などがお越しになることも増えています。