勤医協札幌病院産婦人科では、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)の接種を行っています。
子宮頸がんは若い女性に多いがんで、子育て中の女性の命を奪うがんとして、マザーキラーと呼ばれることがあります。一方、子宮頸がんの主な原因であるヒト・パピローマウイルスは一定の条件のもとワクチンで感染が予防でき、がんの発生を防ぐことができることが証明されています。
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※HPVワクチンで予防できるとされるがん 子宮頸がんの他咽頭、口腔、肛門部のがんとの関連も強く示唆され、男性を含めワクチンの接種を行っている国も存在します。
HPVワクチンは、日本では小学校6年生から高校1年生相当の女性について公費による接種対象とされるほか、その他の希望する女性、男性について自費での接種が可能となっています。
子宮頸がんの予防には、ワクチン接種とがん検診の両方が合わさりより効果を発揮します。検診はがんの発見を目的としますが、見つかるのは「がん」であり、治療で命を救えても一定の後遺障害が起きることがあります。ワクチンの目的はがんの予防であり、発生の危険度そのものを低くします。
キャッチアップ接種について
ヒト・パピローマウイルスは主に性行為により感染します。HPVワクチンは感染前に接種することが必要なので、小学校6年生から高校1年生相当の女性に集中的に公費による接種が行われています。
直近10年間、国内ではHPVワクチンによる副反応を強く懸念する様々な情報が伝えられました。HPVワクチンによる重い副反応については、現時点で他のワクチンと違いがないことがほぼ明らかとなっています。
しかし、10年間接種についての広報がほとんど行われてきませんでした。そのため、公費による接種対象であった人の中で、接種について知ることができなかった人が多く存在します。
こうした方に対応するため、国は2025年3月いっぱいまで、対象年齢を超える一定の女性について公費負担による接種を実施しています。
HPVワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~|厚生労働省
HPVワクチンの接種について学ぶサイト
厚生労働省 対象女性と保護者向けパンフレット 000901220.pdf
上記と同等の内容の東京都のサイト ワクチンは本当に安全?|これだけは知って欲しい「はじめてのHPVワクチン」
民間のHPVワクチンを知るサイト トップページ | みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト
北海道勤医協の基本的立場と薬害を訴える裁判について
北海道勤医協は、医療に使われる医薬品が期待している以外の反応を起こすことを認識し、個人の差異によって時に重い作用を起こすことを認識しています。そのため、医薬品の使用に当たっては、慎重であるとともに、生じる副反応については最後まで患者に寄り添い向き合うことを決意しています。
北海道勤医協はHPVワクチンにおいても慎重に効果と副反応を検討し、このワクチンの接種による症状には最後まで向き合い、効果と社会的な意義を見極める科学的な努力を今後も続けていきます。
HPVワクチンの副反応をめぐる経過では、情報が様々に流布し真偽が付きにくい中で広まることも見られました。
現在、HPVワクチンの接種を受け生じた身体被害を主張し、訴訟でメーカーに賠償を求める裁判が行われています。私たちは、訴訟は具体的な事例に対する法的な解決であり、訴えの応援も否定もする立場ではありません。法的な判断によって具体的な事例について決着されるものと考えています。